top of page
検索
  • 執筆者の写真odorusakana

上向き三角下向き三角


だらっと立っていて、つまり脱力して立っているときに、腕をあげる。

肩より上に腕を上げて動かすと、肩や腰が疲れてきて張る。

次に、両足をしっかり地面につけ(地面に根をはるような感覚で)、

頭のてっぺんがすっと空に向かって伸びていくイメージで立つ。

その状態を保ったままさっきと同じように腕を振り回すと肩が楽だ。

また、尻尾の痕・尾てい骨の先を動かすのが楽だ。

次に手のひらで空気を押すように腕を張り、

尻尾の先が頭の先から遠ざかるようなイメージで立つ。

すると、今度は首を動かすのが楽になり、

片足を浮かせて空中で動かすのもずっと楽になる。

これは、頭と両足先を結ぶ上向きの三角形と、

尻尾の先と両手の先を結ぶ下向きの三角形で考えると整理がつく。

上向きの三角形(足足頭)を張ると

下向きの三角形に当たる腕と尻尾の先を動かすのが楽になる。

反対に、下向きの三角形(手手尾)を張ると

上向きの三角形に当たる脚や首を動かすのが楽になる。

なぜなのかをはっきり説明している人に僕はまだ出会っていないけれど、

その関係性に気づいている人には会ったことがあり、

自分のからだでもどうやらそうらしいと実感し、

自分のラボに参加してくれた人とも共有できた。

だからここに文章化している。

僕のからだの研究はそういうことの繰り返しだ。

これがアメリカやヨーロッパ、アフリカで共有できなかったら

また考える必要がある。

だけど、そもそもこれを教えてくれたのはアメリカ人のおばあちゃんだし、

どんなに肌や目の色が違おうと、僕らの上腕の骨は1本だし、

脊椎の数は5+12+7個だし、指の数は5本で共通だ。

もし違う人に出会ったら、そのお互いの違いを比べることで、

より僕らがヒトと呼ぶ種の身体構造の持つ特性がわかるかもしれない。

指が6本で生まれてきたヒトの得意分野なんかがわかるかもしれない。

そんな感じで、春からヨーロッパへ。

特に6月からはノルウェーでワークショップもやっていく予定なので、

おのずと検証が進むことになる。

英語で言いたいことを口にすることで、

頭の中もより整理されると期待している。

さて、最後に付け加えておくと、

この三角形をキープすることは、

正しい姿勢を維持することとは似て非なる。

武道のように、垂直な上体を崩さないということではなく、

クラシックバレエのように上体の引き上げをキープするということでもない。

そうやってある姿勢(形)キープすることで、

からだが扱いやすくなることを発見したという点で、

クラシックバレエや武道は素晴らしい功績を残している。

だからと言って、それらのメソッドを疑う必要がないとは言えない。

クラシックバレエにしても、武道にしても、

ある国のある時代の美学を反映して作られた型(メソッド)であり、

それは確かに美しいが今の時代を生きる僕らからすると、

美しさ=その型とはならない。(当時もそうだったかはさておき)

前にも書いたけど、

僕は、ヒトを含む脊椎動物は動くのが前提の構造をしていると思っている。

僕ら脊椎動物の特徴は、ずっと止まっているのが苦手なこと。

(昆虫やカニなどの無脊椎動物は殻が体を支えているから、

止まると力を使わなくて良いらしっかり休める。)

だから、正しい姿勢(ポーズ)、つまり静止した形なんてなくて、

理想的な形が現れるなら、歩いているときなどの運動の最中だと思っている。

僕が探しているからだの扱い方も形を追うのではなく、

からだの中に起きている「状態」を追うものである。

バレエも武道も、ものすごく良くできていて参照すべきメソッドであり、

その両者の根底にあるような運動原理を突き止めたいなと思っている。

そういうものはあると確信していて、そうでないと写真のポーズの状態で、

姿勢良く立っているのと同じように腕と尻尾が楽に動かせるのを説明できないのです。


閲覧数:138回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page