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ひとりでにバランスをとる

  • 執筆者の写真: odorusakana
    odorusakana
  • 2018年8月11日
  • 読了時間: 3分

身体はひとりでにバランスを取ろうとするものだと思う。

どこかに向かって歩くとき、どういう風に足を動かすかなんて考えない。

体は、私の(あるいは脳の)指示する場所へ、私を(あるいは胴体を)運ぼうとする。

足は(もし四つん這いならば四肢は)私が地面に崩れ落ちないようにひとりでに動こうとする。

私がいちいち指示する必要は無い。むしろ、指示すると混乱する。

同じように、指先をどこかに運ぼうとすると、あるいは尻尾の先をどこかに向けようとすると、

体のバランスが変わるので、体は次のバランスをとるために自ら動く。

バランスを崩しつつ次のバランスへと向かう。

胴体を(あるいは体幹を)を固めていれば、四肢だけでバランスを取ろうとするが、

胴体を(あるいは体幹を)を固める必要が無いと身体がわかっていれば、

バランスをとるために手足と連動して背骨が動き、胴体が動く。

私は(あるいは脳は)どのようにバランスをとるか計算する必要は無い。

体がしようとすることを見守っていれば良い。

そうすれば、身体はひとりでに連動し、ひとりでにバランスをとる。

私は、私の身体に宿るが、身体は各パーツの統合体だ。(ただの集合体では無い。)

各パーツはそれぞれ別のパーツと相互につながっており、連動し合う。

ある場所を動かすと別の場所が動く。

むしろ、ある場所を動かそうとするだけで、別の場所が動こうとする。

指先だけを動かそうとしても指先を動かす筋肉は指先にはないので、

指先つながっている腕から肩にかけての筋肉が連動する。

つまり、指先を動かすと腕や肩も動いている(少なくとも働いている)。

どこかに向かって手を伸ばすとき、腕はもちろん肩や胸、足腰も動く。

指先が体の重心から離れると、つられて腕が伸びるので、

腕の重心が体の重心から離れる。

腕以外の身体が支えなければいけない重さが増すので、

腕が伸びる方向とは逆方向に少し傾いてバランスを取ろうとする。

腕を伸ばすのに合わせて、伸ばした分だけ動こうとする。

もし、元の姿勢を崩してはいけないと思いこんでおらず、

身体を固めようとしていなければ。

デッサン用の関節が動く人形は、

腕のポーズだけを変えるとバランスが変わるので不安定になる。

膝や腰など他の関節をうごかしてバランスをとってあげないと、場合によっては倒れる。

しかし身体は、その主人が身体を固めようとしていなければ、

ひとりでに膝や頭や胴体、つまり全身をわずかに動かしてバランスを調整する。

どの部分がどれだけ腕の重さを吸収しなければいけないという決まりは無い。

全体で支えられれば良い。

そして、ずっと同じ配分で支えていなければいけないという決まりも無い。

わずかに揺れているだけで、同じ場所がずっと働き続けることを避けられる。

同じ場所がずっと働き続けること、つまり、動かずに固まっていることは、

動物である人の身体が最も苦手とすることなのかもしれない。

だから、正しい姿勢で固まっているとそのうち身体を痛める。

正しい体の使い方で動きすぎるとそのうち身体を痛める。

理想の姿勢のバランスのあたりをゆらゆら漂っているような姿勢の取り方、

同じ動きを繰り返さず関節が変な方向に動かないようにいろんな方向に動いているのが、

身体にとっては楽なはず。

なので、私が、私の目的のために身体を酷使しなければ、

身体は勝手にバランスを取ろうとするはずなので、

大怪我には至らないのでは、、、?

そんなことを考えながら踊った昨日の今日に全身が痛いのは、

やっぱり私が私の身体をパフォーマンスのために酷使してしまったからだろう。

まだまだ修行が足りない。


 
 
 

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